建物表題登記

1. 建物表題登記とは

登記簿を新しく作るための登記です。

登記簿の「表題部」と呼ばれる、所在・種類・構造・床面積を公示します。

土地家屋調査士が代理人となり建物表題登記を行った後、司法書士が代理人となり権利の登記を行います。

建物の表題登記は、所有権を取得した人が所有権を取得した日から1ケ月以内に登記申請を行う義務があります。

まだ登記をされていない建物を購入した場合には、その所有権を取得した人が、所有権を取得した日から1ケ月以内に申請しなくてはなりません。

権利の登記は申請義務がありませんが、所有権を第三者に対抗するための登記ですので、殆どの方が権利の登記まで行っています。

2. 建物表題登記はどんなときに必要か?

① 建物を新築したとき

新しい建物を購入した際は必ず表題登記が必要です。

銀行からお金を借りる際は融資実行と同時に司法書士が権利の登記を行うため、実行の日までに表題登記を完了しておくのが実務の流れです。

② まだ登記されていない建物を購入したとき・相続したとき

建物表題登記は義務化されていますが、未登記の建物が多数存在するのが実情です。

未登記建物の表題登記が必要になるときがあります。

建物を購入するとき、売却するとき、相続をしたとき、それぞれ自分名義で登記するときに表題登記が必要になります。

古い建物の表題登記を行うケースでは往々にして苦労します。この建物は誰が所有しているのかを公的に証明する必要があるからです。

例えば自分の祖父が原始的に取得して、父親が相続し、更に本人が相続して表題登記を行う場合、祖父が購入したことを証明する工事業者から発行された見積書や領収書、工事完了引渡証明書、建築確認などの書類が必要になります。

その後、父親が祖父から相続した際の遺産分割協議書、更に父親から本人が相続したことを証明する遺産分割協議書が必要になります。昔のことだから書類はないという方がほとんどです。

3. 建物表題登記に必要な書類

① 一般的な戸建て住宅の場合

一般的な戸建住宅であれば、住民票、委任状、建築確認・工事完了引渡証明書・工事人の印鑑証明書をご用意いただきます。

建築確認が共有名義で、持分が1/2ではない場合、上申書とそれぞれの印鑑証明書が必要となります。

同じく建築確認の名義と異なる方が所有者として申請する場合、所有権証明書として建築確認の記載は錯誤であり、正しい所有者は私であることを証明することを記載した所有権証明書の添付が必要になります。

② 古い未登記建物の場合

①と同様に委任状、住民票が必要になります。

古い建物となりますと建築確認が紛失していたり、工事業者から引き渡し証明書を発行していただくのが厳しい場合があります。

その際に、固定資産評価証明書、3年分の固定資産税納付証明書、地震保険の領収書、光熱費の領収書などの書類も所有権証明書としてご用意していただく場合があります。

所有権証明書が何も見つからない場合でも、法務局に申請人が所有者であることを証明しなくてはなりません。

どうしても見つからない場合は、建物が建っている敷地所有者が、「この建物は○○さんの所有である」ということを証明する「敷地所有者の証明書」を所有権証明書とする場合や、付帯工事(屋根工事や基礎工事)の施工者から付帯工事を行い、間違いなく所有者に引渡したことを証明する「付帯工事完了引渡証明書」を発行していただき所有権証明書とするケースもあります。

✏️コラム(事例などをご紹介しています)

4. 建物表題登記にかかる費用

一般の新築戸建て住宅:8万(税別)~

古い未登記物件:10万(税別)~

  • 建物の大きさ
  • 建物の形状
  • 現場までの距離
  • 所有権証明書があるか?
  • 相続人からの申請の場合、戸籍等の書類があるか?
  • 土地の境界線が明確になっているか?
  • 現場までの距離

などを考慮して見積りさせて頂いております。

5. 「建物表題登記」4つの注意点

❶ 書類のご用意はスピーディーに

建物の表題登記は、お金を借りるときは特に決済の日が決まっていますので、スピーディーに行う必要があります。

目安としては、足場が取れてキッチンやトイレなどの備品が設置され、内装のクロス工事が完了した時点で建物としての要件を備えたとして申請を出します。

❷ 建物所有者の持ち分はきちんと決めてから

建物表題登記が完了した後に、税金などの理由により持分を変更欲しいと言われることがあります。

変更はできないので、もともと間違っていた(書類に記載するのを誤った)として、「建物表題部所有者更正登記」を申請する必要があります。

担当登記官の判断にもよりますが、前回の工事完了引渡証明書記載の所有者持分は、誤りであることと正しい持分を記載した上申書を求められる場合があります。

工事施工者が印鑑証明書を添付で実印を押印して上記書類を発行するのは難しいケースが多いです。

❸ 附属建物の登記を忘れないように

建て替え等で現場に行くと、建築地が高台になっており敷地の下部に鉄筋コンクリート造のビルトイン車庫がある場合があります。

この車庫は、上部に建築された建物の附属建物になるケースが多いです。

附属建物の登記を忘れると、金融機関から指摘を受け、建物表題変更登記をしなくてはならないので、敷地の中に他に登記ができる建物が残っていないか確認が必要です。

❹ 登記上古い建物が残っている場合は、表題登記の前に滅失登記が必要です

建替の場合、もともと住んでいた建物を取り壊してから新しい家を建てると思いますが、その場合、建物滅失登記が必要になります。

解体業者から建物取り壊し証明書を取得して表題登記と一緒に申請します。

場合によっては、もっと昔に壊されているが、登記だけ残っている場合があります。

所有者が自分の3代4代上の親族が所有者として記載されていたり、全然知らない人が所有者として記載されていることもあります。

隣の敷地の先祖が所有者として記載されているなんてこともあります。

その場合は、法廷相続人一人からの申請になりますので、戸籍を取得する必要があり、時間がかかりますので早めに確認しておく必要があります。