国土交通省の調べによりますと、登記簿で所有者が不明な土地が、全体で20.1%(都市部で14.5%)、住民票や戸籍謄本等で追跡調査をしてもなお所在不明の土地が全体で0.41%(都市部でも0.38%)となっています。
所有者不明土地が生じる様々な原因は、
- 登記簿の住所が変更されていない
- 相続登記がされておらず、相続人に有無や連絡先がわからない
- 共有者が多数登記されており一部の者の所在地が分からない
- 土地所有者が外国人または外国に転出しており連絡先がわからない
- 法人がみなし解散されており代表者もどこにいるかわからない
などです。
最近は現場に行くと空き家が結構多く、近くの人に聞くとホームに入っているので戻らないよとか、留守の方の電話番号を近所の方に聞くと情報は勝手に教えられないと拒否されたり、隣接人を探すのに非常に苦労します。
そうした問題を解決するために、様々な議論がなされています。
相続登記の実質義務化
相続人が相続・遺贈で不動産取得を知ってから3年以内に登記申請することを義務化し、違反者は10万円以下の過料対象とする。
国会で審議中。法案が成立すれば2023年度より施行)
所有者放棄制度の創設
所有権の放棄は現在認められていませんので、誰かが土地を所有していなければなりません。
しかし、崖地など管理をするのに困難な土地を相続するなど引き継ぐのは困難です。
そこで国は、土地の境界が確定されていたり、第三者の担保権が設定されておらず所有者以外に土地を占有する者がいないなどの一定条件の下で、土地所有権の放棄を可能とする制度を創設する方向で検討しています。
只、相続放棄で所有者が国になってしまうと、所有者から固定資産税を徴収することができなくなり、更に土地の管理をしなくてはならず相続放棄は受けづらいようです。